気をつけよう! 赤ちゃんの食物アレルギー

赤ちゃんの10人に1人が『食物アレルギー』といわれています。
その主な症状はカサカサ、ポツポツ、カユカユ──。
放っておくと長引いたり、悪化したりするので注意が必要です。
今回は、食物アレルギーの治療と検査についてご紹介します。

【監修】国立病院機構相模原病院  海老澤 元宏 先生

  

 

 

 生後2ヵ月くらいから赤ちゃんの顔や頭などにかゆみの強い湿疹がみられることがあります。頭や顔、首などにカサカサ、ポツポツができると、かゆみのあまりにかいたり、夜泣きが続いたりします。このような症状が2ヵ月以上長引く場合「食物アレルギー」を合併しているかもしれません。

 

 食物アレルギーとは、「ある特定の食物を食べたり飲んだりすることによって引き起こされるアレルギー反応」で、その多くが乳児のアトピー性皮膚炎として発症します。お母さんの食べた卵が母乳中に分泌され、それを飲んだ赤ちゃんは母乳に含まれる微量の卵由来の成分に対してアレルギー反応を起こすのではと考えられています。

 

 原因となる食物は、卵のほかに、乳製品、小麦が多く、1歳児ではこれらに加え、イクラなどの魚卵や魚類が多くなります。

 

 成長するにつれ、食物を消化する働きや腸粘膜の機能が発達し、原因食物を食べられるようになることが多いといわれています。しかし、食物アレルギーを放っておくと、症状は悪化して治りにくくなります。また、アナフィラキシーショックといって、意識を失ったり呼吸困難に陥るなど命にかかわる症状を起こすこともあります。
 そのため、できるだけ早く医師の診断のもと、適切な治療を受けるべきなのです。

 食物アレルギーの症状は、原因食物を食べないことで改善します。これを「食物除去」といい、始める時期が早いほど症状は軽くなり、原因食物を食べられるようになるといわれています。

 しかし一方で、根拠のない過剰な食物除去は栄養不足を招き、成長障害を引き起こしかねません。また、除去する食物は赤ちゃんひとりひとりによって異なり、同じ食物でも調理方法によって食べられることもあります。
 最近ではインターネットが発達し、さまざまな情報があふれていますが、お母さんの自己判断や思い込みで食物除去を行うことは避けるべきです。

 


 赤ちゃんの健やかな発育を考慮した食物除去を行うには、医師による正しい診断が不可欠です。
 そのために、まず「問診」を行います。症状がでた時期や状況、ご両親にアレルギーがあるかどうか、母乳栄養か人工栄養か、離乳食が始まっているかなどについてうかがいます。

 食物アレルギーの診断は、原因と思われる食物を1〜2週間程度試験的にやめてみる「食物除去試験」や、食べさせてみて症状がでるかどうかをみる「食物負荷試験」によって確定されます。この検査は重いアレルギー症状がでることもあるので、専門医のもとで実施されます。

 アレルギー検査としては、「血液検査」が一般的です。
この検査では一回の採血で「卵」や「牛乳」など、どの食物に対してアレルギー反応を起こす可能性があるかを調べることができます。血液検査の結果が陽性であっても実際には食べられることがありますし、その反対もありえます。したがって、血液検査の結果だけで除去する食物を決定することはありません。お母さんも検査の結果だけで一喜一憂する必要はありません。

  

 

 食物アレルギーは適切な診断・治療により改善できる病気です。湿疹が長引く、悪化するなど思い当たることがあればアレルギー検査を行っている医療機関にご相談ください。

 

 

 

 

赤ちゃんにかかった医療費のうち、健康保険証を使って医療機関を受診するときの自己負担金を、市区町村が負担する制度があります。
地域によって制度が異なりますので、お住まいの市区町村にお問い合わせください。
なお、すべての医療費の自己負担がなくなるわけではありませんので、ご注意ください。