1歳から3歳が発症のピーク!小児ぜんそく

小児ぜんそくの約8割は3歳までに発症するという調査結果があります。
呼吸のたびに「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」と音がする──
幼児にこのような症状が起きたときには「ぜんそく発作」の可能性があります。
ぜんそくは、早期に治療を開始すれば症状を悪化させずにすますことができます。

 

【監修】東京慈恵会医科大学小児科学講座准教授 勝沼俊雄 先生

 

 

ぜんそくは、気管支が傷つき、腫れ・たんがつまるなどのために気管支が狭くなって空気が通りにくくなる病気です。せきが長く続き、呼吸のたびに「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」という音(喘鳴=ぜんめい)がしたり、呼吸困難などの発作をくりかえします。

小児ぜんそくの約80%は3歳までに発症するといわれ、その多くは、アレルギーによるぜんそくです(下図)。

原因となるアレルゲン(抗原)は、空気とともに吸い込む吸入性アレルゲン。代表的なものは、ホコリやダニ、カビ、ペットの毛、花粉などです。 

ぜんそくの子どもは気管支が敏感でわずかな刺激でも強く反応します。このため、冷たい空気や線香・花火・たばこの煙などアレルゲンではないものが発作の原因となることもあります。カゼも重要な原因の一つです。また、天気も関係があり、雨や台風のときに発作を起こしやすくなります。

ぜんそく発作の程度や頻度は一人ひとり異なりますが、学童期にかけてよくなっていくこともあります。早めに医師に相談し根気よく治療を続ければ、症状の悪化を防いで完治も望める病気だといえます。

 

 

 小児ぜんそくのおもな症状は、せき、喘鳴、呼吸困難。
これらの症状で医療機関を受診すると、まずは「問診」が行われます。症状が出始めた時期や起きやすい状況、他のアレルギーの病気があるかどうかを伝えます。
とくに乳児期にアトピー性皮膚炎を発症した場合は、ぜんそくになる可能性が高いと考えられるので、アレルギーの既往症は大切な情報です。
また、両親にぜんそくやアレルギーなどの病気の既往症があるかなどの家族歴も考慮されます。

 発作を起こす原因アレルゲンを調べるためには、「血液検査」や「皮膚テスト」を行います。
 アレルギーは血液中にあるIgE(アレルギーを起こす抗体)という物質が関係しているので、どのアレルゲンに対してのIgEがつくられているかを調べることが重要です。血液検査では、一度の採血で複数の原因アレルゲンについて調べることができます。

                    

 

 肺が空気を出し入れする能力を調べる「呼吸機能検査」では、気管支の狭まりの程度がわかります。このほか年長の子では、直接、原因アレルゲンを吸入してアレルギー反応を調べる「吸入負荷試験」が行われることもあります。

 これらの検査結果や発作のようすから、ぜんそくの治療方針が決まります。治療内容は重症度によって異なりますが、「発作のときの治療」と「発作を起こさないようにする治療」を行うと同時に、原因となるアレルゲンを少なくする環境整備が基本となります。
 せきや呼吸困難がある場合には、早めの治療が必要です。思い当たることがあれば、医療機関にご相談ください。

 

小児ぜんそくのアレルゲンのうち、発作の引き金となる頻度が高いのはホコリやダニです。室内はフローリングにして、ホコリをたまりにくくするのが理想的ですが、どうしても取り除けないジュータンには週に一度じっくり掃除機をかけましょう。その他の掃除や換気、カーテンの洗濯はこまめに。布団を干した後は、掃除機でダニの死骸を吸い取ります。また、ペットの毛やフケもアレルゲンとなるので、ペットの飼育は避けたほうがよいでしょう。スギなどの花粉、ガ、ゴキブリがアレルゲンとなる可能性もあります。