アレルゲンがいっぱい~屋内で重要なアレルゲン~

  アレルゲンがいっぱい~屋内で重要なアレルゲン~
家の中には、アレルゲンがいっぱいあります。
家の中でみられるアレルゲにはどんな対策が良いのでしょうか?

 

 

近年では、住宅の気密性、ペットの家族化などにより屋内アレルゲンが増加傾向にあります。屋内アレルゲン対策では、どのアレルゲンにも共通しているのが屋内の掃除です。
より効果的な掃除をするためには、原因を特定することが大切です。
屋内で重要なアレルゲンでは、ダニ、ペット、ガ、ゴキブリ、カビ類があります。

 

■屋内のどこにいるの? 
家の中にはアレルゲンがいっぱい潜んでいます1-8)。    

 

 

■屋内のこんなアレルゲンに注意しましょう♪

 

   

ペット(イヌ・ネコ)                                                                                           ペットのフケが主なアレルゲンになります。ペットの飼育を中止するのが一番のアレルゲン対策ですが、飼育する部屋を限定するなどの対策も有効です。飼育中止後も、壁や家具などにアレルゲンが付着したまま残っているので、丁寧な掃除が必要です。ペットのアレルゲンは、飼育している家庭だけでなく、公共の場から衣類に付着し人を介して家に持ち込まれることもあります9)

 

 

                                                                                                 ガは乾燥食品、穀類、菓子などを発生源とするメイガ、動物繊維の衣類などに発生する衣蛾(イガ)など屋内に発生するガがいます4)。メイガは、全国の調査家屋の90%で捕獲された報告があります10)。これらガは、夜行性のため目にする機会がないことから問診からの聴取が難しい抗原です。

 

   

ゴキブリ                                                                                                 ゴキブリは暖かく湿度の高い台所、風呂場付近を好み、ビルや飲食店にも生息します。通常は夏に繁殖しますが、熱源のあるところでは、年間を通じて生息します。死骸やフンが細かいチリとなり、鼻炎や喘息の原因アレルゲンになります。

 

   

ダニ                                                                                                    ダニは、一般家庭のハウスダスト中に最も多く含まれるアレルゲンです。喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎など、多くのアレルギー性疾患の主な原因および増悪因子になります。ヤケヒョウヒダニ等の家塵ダニは、ソファー、カーペット、ふとん、ベッドなどに生息します。 

 

 

 屋内の材木、空中や土壌など湿性環境に多く発生します。アレルギー性鼻炎やぜんそく症状を引き起こす原因となります。 
カビの多くは胞子が小さく、鼻腔を通過して気管支まで到達し、主に喘息の原因の1つとなり、アレルギー性鼻炎の原因となりません。しかし、アルテルナリア(ススカビ)は胞子が大きく、鼻腔内に留まることにより、アレルギー性鼻炎を引き起こすとされています。   

 

   

空中では、屋内外で最も多く検出されます。ぜんそくなど呼吸器症状を引き起こす原因となります。 

 

 

比較的乾燥したところに存在し、特に屋内空中で検出されます。ぜんそくなど呼吸器症状を引き起こす原因となります。

  

 

屋内塵、食品(穀類など)、繊維、紙、木材、皮革など比較的乾燥したところに存在します。ぜんそくなど呼吸器症状を引き起こす原因となります。
 

重症化を防ぐには? アレルゲンの除去と回避が重要 

One airway , one disease という、アレルギー性鼻炎(上気道)と気管支喘息(下気道)は気道を舞台にした一つの気道疾患と捉える概念があります。
この概念に基づいて作成された国際的なガイドラインをARIA(Allergic Rhinitis and its Impact on Asthma:アレルギー性鼻炎とその喘息への影響)と言い、浸透しつつあります。
季節性アレルギー性鼻炎で喘息を合併する患者さんでは、花粉症時期に喘息が増悪するとの報告もあり、アレルギー性鼻炎合併喘息の増悪予防やアレルギー性鼻炎から喘息への移行予防には“One airway , one disease”の視点を上手く活用した原因アレルゲンの除去回避が大切です。
アレルギー性鼻炎の治療は、アレルゲンの除去と回避、薬物療法、特異的免疫療法、手術療法に分けられます。中でもアレルゲンの除去と回避は、アレルギー性鼻炎治療の原因療法の1つであり、基本とされています11)
以下に、「鼻アレルギー診療ガイドライン」に記載されているアレルゲン除去回避の方法をあげます。

■室内ダニの除去  

掃除機がけは、吸引部をゆっくりと動かし、1畳当たり30秒以上の時間をかけ、
  
週に2回以上行う。

  布張りのソファー、カーペット、畳はできるだけやめる。  

ベッドのマット、ふとん、枕にダニを通さないカバーをかける。  

ふとんは週に2回以上干す。困難な時は室内干しやふとん乾燥機で、ふとんの
  
湿気を減らす。週に1回以上、掃除機をかける。  

部屋の湿度を50%、室温を20-25℃に保つよう努力する。  

フローリングなどのホコリのたちやすい場所は、拭き掃除の後に掃除機をかける。  

シーツ、ふとんカバーは週に1回以上洗濯する。  

 

 ■ペット(特にネコ)抗原の減量  

できれば飼育を止める。

屋外で飼い、寝室に入れない。

ペットと、ペットの飼育環境を清潔に保つ。

床のカーペットをやめ、フローリングにする。

⑤ 通気をよくし、掃除を励行する。

フローリングなどのホコリのたちやすい場所は、拭き掃除の後に掃除機をかける。

 原因となるアレルゲンを知るには? アレルギー検査「特異的IgE検査」が有効
アレルゲンを除去回避するには、原因となるアレルゲンを知ることが重要です。
自己診断でなく、アレルギー検査に基づいた、医師による適切な診断を受けることが大切です。

 

(参考文献) 

1)アレルギー・免疫 20(3),418-425,2013

2)アレルギーの臨床22(9),675-679,2002

3)アレルギーの臨床22(9),692-696,2002  

4)アレルギー・免疫7(4),448,458,2000 

5)日小ア会誌24(2),203-216,2010

6)耳喉頭頸62(4),297-303,1990

7)アレルギー56,(3,4)145,2007

8)アレルギー・免疫7(4),468,473,2000

9)Clin Exp Allergy 28,53-59,1998

10)ペストロジー学会誌 11,18-23,1996

11)鼻アレルギー診療ガイドライン2013